ゴヨウアケビ
万葉集でよまれた草木
- 花名ゴヨウアケビ
- 学名Akebia × pentaphylla
- 別名五葉木通
- 原産地日本、韓国、中国
- 開花場所野原・畦道
- 開花期4月, 5月
ゴヨウアケビとは
ゴヨウアケビ(五葉通草、五葉木通、学名:Akebia × pentaphylla)とは、アケビ(木通、学名:Akebia quinata)とミツバアケビ(三葉木通、三葉木通、学名:Akebia trifoliata)の自然交雑種です。
日本の在来種で本州、四国、九州と、中国、朝鮮半島に分布します。
アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木で、山野の林内や林縁に自生します。
一方の親であるアケビ(木通、A. quinata)は、葉が掌状複葉(小葉が5枚)で、小葉縁は全縁、花序は短く、花はやや大きく、薄紫色をしています。
もう片方の親であるミツバアケビ(三葉通草、A. trifoliata)は、葉が3出複葉(小葉が3枚)で、小葉縁に波状鋸歯(波打つ)があり、花序は長く、花が小さく、濃紫色をしています。
ゴヨウアケビ(五葉木通、A. × pentaphylla)は、これら両親の性質を足し合わせて2で割ったような姿をしており、葉は柄のある5小葉の掌状複葉(3-4枚の場合もある)で、葉縁に波状鋸歯があります。
4月~5月に総状花序を伸ばし、ミツバアケビに似た暗紫色の花を咲かせます。花は、先端に雄花、基部に雌花を付きます。
花弁は無く、3枚の花弁のように見えるものは萼片です。
花名の由来
属名の「Akebia」は日本名の「アケビ(木通)」のラテン語化したもの、
「×」は交雑種であることを示したもの、
種小名の「pentaphylla」はギリシャ語の 「penta(5)」+「phyllon(葉)」の複合語で、5枚の葉という意味です。
和名の「ゴヨウアケビ」は、アケビ属で小葉が5枚ということに拠ります。
万葉集 第10巻1928番歌
万葉集で「さのかた」と言う名で詠まれました。
アケビは小葉が5枚、ミツバアケビは葉が3枚、このゴヨウアケビは葉が3〜5枚つく特徴があります。ゴヨウアケビは不稔なので万葉集に登場する「さのかた」は、特に、このゴヨウアケビを指す古名と考えられます。
作者:作者不詳、題詞:(問答)春相聞
原文
狭野方波 實尓雖不成 花耳 開而所見社 戀之名草尓
よみ
狭野方(さのかた=あけび)波(は) 實(実)尓(に)雖(たとえ...でも)不成(ならず)
花(はな)耳(のみに) 開(咲き)而(て)所見社(見えこそ) 戀(恋)之(の)名草(慰さ)尓(に)
さのかたは 実に成らずとも 花のみに 咲きて見えこそ 恋の慰(なぐさ)に
意味
さのかた(=あけび)は 実が成らなくても 花だけでも 咲いて見えてこそ 恋の慰めになるでしょう
一般名:ゴヨウアケビ(五葉木通、五葉木通)、
学名:Akebia × pentaphylla、
別名:五葉木通(中国語)、
分類名:植物界被子植物真正双子葉植物綱キンポウゲ目アケビ科アケビ属ゴヨウアケビ種,
生活型:蔓性落葉低木、樹皮色:灰褐色、蔓:右巻き、蔓長:4~10m、
葉形:掌状複葉、小葉形:楕円形、小葉長:3-6cm、葉縁:波状鋸歯、葉序:互生(新枝)、束生(老成枝)、
雌雄同株、雌雄異花、花弁:無、開花期:4月~5月、花色:暗紫色、
果実:不稔(実が成らない)。
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