ヤマアイ

Mercurialis leiocarpa

万葉集でよまれた草木,らんまん植物

  • ヤマアイ
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  • ヤマアイ
  • 花名
    ヤマアイ
  • 学名
    Mercurialis leiocarpa
  • 別名山藍
  • 原産地朝鮮半島、中国、インドシナ、日
  • 開花場所植物園, 低山
  • 開花期4月, 5月, 6月, 7月
  • 花言葉「古き良き時代の」「正しいこと」

ヤマアイとは

ヤマアイ(山藍、学名:Mercurialis leiocarpa)は、朝鮮半島、中国、インドシナ、日本が原産でトウダイグサ科ヤマアイ属の多年生草本植物です。本州~琉球半島の山林の薄暗い下床に群生します。草丈30~40 cmで、茎断面は四角形です。長い葉柄の先に付いた葉は10cm程の楕円形で葉縁に鋸歯があり茎に対生に付きます。雌雄異株です。葉腋から花柄を出し、小さな穂状花序を伸ばします。花には雄花、雌花ともに花弁はありません。雄花は球形の3裂した萼がありそこから白い葯を持つ雄蕊を多数出します。雌花には2個の棒状体と1つの雌蕊があります。写真は尾花です。染料として使われました。


日本最古の植物染料


山藍を使った染色は「山藍摺」と呼ばれ、万葉集の時代から行われる日本最古の植物による染色方法といわれます。これは「摺り染め」による染色技法で、生葉を布に擦りつけることで布を染めていました。山藍(M. leiocarpa)は、タデアイ(蓼藍、学名:Persicaria tinctoria)リュウキュウアイ(琉球藍、学名:Strobilanthes cusia)と異なり、インディゴ(青い色素)を持たないため、青ではなく緑色に染まり、その後、黄褐色に変色します。しかし、色落ちが早く、また変色が早いことに問題があったようで、タデアイ(蓼藍=アイ)染めが盛んになるにつれ山藍染めは消滅しました。


万葉集の詠み方の形


万葉集には、以下の3種類の詠み方があります。

万葉集の3種類の詠み方
短歌(5・7・5・7・7) 短歌約4200首
長歌(5・7・5・7・5・7音を3回以上 +最後に7音)長歌約260首
旋頭歌(5・7・7音の三句体を二つあわせた歌形)旋頭歌62首

万葉集に出てくる「山藍」の歌


この歌は「シラカシ(白樫、学名:Quercus myrsinaefolia)」の所でも出ています。

万葉集 第9巻 1742番歌 高橋虫麻呂
この歌は、【長歌(5・7・5・7・5・7音を3回以上 +最後に7音)】で、5・7・5・7・5・7音を8回以上 +最後に7音)から成ります。


『歌』


級(しな)照る(5音) 片足羽河(かたしはがは)の(7音) さ丹(に)塗りの(5音) 大橋の上ゆ(7音) 紅(くれなゐ)の(5音) 赤裳すそびき(7音) 山あゐもち(5音) すれる衣(きぬ)着て(7音) ただひとり(5音) い渡らす兒は(7音) 若草の(5音) 夫(つま)かあるらむ(7音) かしの実の(5音) ひとりか寐(ぬ)らむ(7音) 問はまくの(5音) ほしき我妹(わぎも)が(7音) 家の知らなく(7音)(高橋虫麻呂 巻9-1742)


『意味』


片足羽河に架かる朱塗りの大橋の上を、紅色の赤裳の裾を引いて、山藍で染めた着物を着て、たった独りで渡っている、あの娘は、夫がいるの身だろうか。あるいは樫の実のように独りで寝ているのだろうか。聞いてみたいものだが、あの娘の家が分からない。


花言葉


「古き良き時代の」「正しいこと」

一般名:ヤマアイ(山藍)、学名:Mercurialis leiocarpa、分類名:植物界被子植物真正双子葉類キントラノオ目トウダイグサ科ヤマアイ属ヤマアイ種、原産地:朝鮮半島、中国、インドシナ、日本、分布:本州~琉球半島の山地の暗い林内、生活型:多年生草本植物、草丈:30~40 cm、葉柄:長い、葉形:楕円形、葉長:10cm、葉縁:鋸歯、葉序:対生、雌雄異株、開花期:4~7月、花序形:穂状花序、花色:緑白色、花弁:無し、用途:緑色の染料。


  • キントラノオ
  • トウダイグサ
  • ヤマアイ
  • ヤマアイ
  • 花のタイプ
    その他
  • 花序
    穂状花序
  • 花冠
    花びら無し
  • 葉形
    楕円形
  • 葉縁
    鋸歯状
  • 生活型多年生草本植物
  • 花の色緑 白
  • 葉の色
  • 実の色
  • 高さ30.0 ~ 40.0 cm
  • 花径0.0 ~ 0.0 cm

ランダムな花