マダケ

Phyllostachys bambusoides

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  • 花名
    マダケ
  • 学名
    Phyllostachys bambusoides
  • 別名タケ, 真竹, 竹, Japanese Timber Bamboo
  • 原産地中国
  • 開花場所野原・畦道, 低山
  • 開花期6月

マダケとは

マダケ(真竹、学名:Phyllostachys bambusoides)とは中国、日本原産で、タケ科マダケ属の多年草で大型の竹です。日本では本州から沖縄まで広く分布しています。成長が早く、地下茎を地面に縦横に張り巡らせながら、空に向かって棹を真っ直ぐに伸ばします。節の環は2個あり、節間は長さ20~40cmで片側に明確な溝があります。120年に一度、花を咲かせると言われ、花が咲いたら枯れます。孟宗竹は江戸時代以降に渡来しています。
若竹は筍として食べられます。初夏が旬の味覚とされ、取れたてのものは刺身、時間の経ったものは灰汁抜きして筍ご飯や煮物にして食べます。外皮は薄黒い斑点に覆われています。棹は割って、椅子や籠、定規、茶筅、竹馬、一輪挿し、扇の骨、七夕飾りの棹など、道具や工芸品、家具用材となります。皮は、おむすびや菓子などの食料品を包む包装用に使われます。葉は、チクヨウ(竹葉)という漢方薬の生薬となり、利尿、解熱剤とされます。他に食用とされる筍の旬は、モウソウチク(孟宗竹)は3月-4月、ハチク(破竹)は4月-5月、ネマガリタケ(根曲竹)は5月-6月、カンチク(寒竹)は10月とされます。


万葉集と竹取物語


万葉集 巻5巻 梅花の歌32首の序にある「初春の【令】月にして、気淑く風【和】ぎ」が、【令和】の典拠となりましたが、この「万葉集 第16巻 3791番歌」にある「竹取翁の歌」も奈良時代前中期以降に創作したとされる「竹取物語」の源流の一つではないかとの指摘があります。


万葉集 第16巻 3791番歌


作者:竹取翁
標題:竹取翁、偶逢九箇神女、贖近狎之罪作歌一首并短歌
登場する草木:竹(真竹)、掛かり言葉として登場。

「昔有老翁 号曰竹取翁也 此翁季春之月登丘遠望...」

「昔老翁ありき 號を竹取翁と曰ひき 此(こ)の翁季春之(の)月丘(に)登(り)遠(く)望(む)...」

「昔、老人がいて、名を竹取の翁(おきな)と言った。この翁が春に丘に登り遠くを眺めていたところ...」(9人の仙女と出会い自己紹介の歌を詠う)

と竹取物語を彷彿させるタイトルがついています。原文は、長文なので端しょってご紹介します。


原文(翁の自己紹介の歌)


「緑子之 若子蚊見庭 垂乳為 母所懐 衤差衤強 平生蚊見庭 結經方衣... 
宮尾見名 刺竹之 舎人壮裳 忍經等氷 還等氷見乍 誰子其迹哉 所思而在 如是 所為故為 古部 狭々寸為我哉 端寸八為 今日八方子等丹 五十狭邇迹哉 所思而在 如是 所為故為 古部之 賢人藻 後之世之 堅監将為迹 老人矣 送為車 持還来」



「緑子(みどり子)之(の) 若子(わくご)蚊(が)見(身)庭(には) 垂乳為(たらちし) 母(に)所懐(抱かえ) 衤差衤強(ひむつきの) 平生(はふこ)蚊(が)見(身)庭(身には) 結經(木綿、ゆふ)方衣(肩衣、かたぎぬ)...

宮尾見名(女) 刺(さす)竹(たけ)之(の) 舎人(とねり)壮(男、をとこ)裳(も) 忍(しの)經(ぶ)等(ら)氷(ひ) 還(かへ)等(ら)氷(ひ)見乍(つつ) 誰(が)子(こ)其(ぞ)迹(と)哉(や) 所思(思はえ)而(て)在(ある) 如是(かくの如) 所為(せらえ)故(し) 古部(いにしへ) 狭々寸(ささき)為(し) 我(われ)哉(や) 端寸(愛しき)八(や)為(し) 今日八(や)方(も) 子等(ら)丹(に) 五十狭(いさ)邇(に)迹(と)哉(や) 所思(思はえ)而(て)在(ある) 如是(かくの如) 所為(ならえし)故(ゆえ)為(し) 古部(古)之(の) 賢(さかしき)人藻(も) 後之(の)世之(の) 堅監(鏡)将(に)為(せむ)迹(と) 老人(おいびと)矣(を) 送(り)為(し)車 持(ち)還(り)来 持(し)」

「みどり子の 若子(わくご)が身には たらちし 母に抱(いだ)かれ ひむつきの 平生(はふこ)が身には 木綿(ゆふ)肩衣(かたぎぬ)...
    👇
宮女 さす竹の 舎人男も 忍ぶらひ かへらひ見つつ 「誰が子ぞ」とや 思はえてある 
かくの如 せらえし 古(いにしへ) ささきし 我れや 愛しきやし 今日やも 子らに いさにとや 思はえてある
かくの如 ならえし故し 古の 賢(さかしき)人も 後の世の 鏡にせむと 老人を 送りし車 持ち還り来 持し」


意味


「(今は老人になったが)私の乳幼児の頃は 母に抱かれておくるみを着て 稚児になると木綿の着物を着せられ、

...(延々と大人になるまで続く)

女官や 舎人男も さり気なく 振り返りながら見て 「どこの子だろう」と 思われたものだよ。
そんな風にされて来たから 昔は華やかだった私は 今日も(あなた達のような)若い人に 「誰だろう」と思われるのかな。
このようにされて来たから 昔の賢人達も 後世の鑑(かがみ)にしようと 老人を送った車を持ち帰って来るんだろうね。

これは「もじり歌」らしく、この長歌の中に、万葉集の代表歌33首が読み込まれているようです。
内容的には人生は繰り返される(人の老いは繰り返される)とを言っているのでしょうか。

一般名:マダケ(真竹)、学名:Phyllostachys bambusoides、分類名:植物界被子植物門単子葉植物綱イネ目イネ科マダケ属マダケ種、原産地:中国・日本、別名:タケ(竹)、ニガタケ(苦竹)、Japanese Timber Bamboo、草丈:15~20m、幹径:10-15cm、枝:多数分枝、葉長:8~12cm、葉幅:2cm、葉形:披針形、葉身:無毛、皮:無毛で暗紫褐色の斑紋有、花序径:総状花序、筍収穫時期:5月~6月、雄蕊数:3、開花期:初夏(めったに咲かない)、寿命:120年程。


  • イネ
  • タケ
  • マダケ
  • マダケ
  • 花のタイプ
  • 花序
    総状花序
  • 花冠
    糸状
  • 葉形
    披針形
  • 葉縁
    全縁
  • 生活型多年草、大型の竹
  • 花の色
  • 葉の色
  • 実の色
  • 高さ1500.0 ~ 2000.0 cm
  • 花径0.3 ~ 0.5 cm

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