源007.源氏物語の草木 第7話 松

源氏物語の草木

源氏物語の草木


本日1月7日より、NHK大河ドラマで「光る君へ」が始まります。これは源氏物語を描いた紫式部の物語です。ということで、番組では源氏物語が前面に出て来ないと思われますが、関連して出て来ることを期待して、この「源氏物語の草木」シリーズを設けました。草木だけでは何のことやらなので、あらすじで源氏物語の話の流れが分かるようにしました。

あらすじ
故桐壺の母が現在の心境を語ります。


第7話 靫負命婦の弔問の場その3


(源氏物語 1.7 靫負命婦の弔問)


母の心境


(源氏物語)
「命長さの、いとつらう思うたまへ知らるるに、松の思はむことだに、恥づかしう思うたまへはべれば、百敷に行きかひはべらむことは、ましていと憚り多くなむ。かしこき仰せ言をたびたび承りながら、みづからはえなむ思ひたまへたつまじき。若宮は、いかに思ほし知るにか、参りたまはむことをのみなむ思し急ぐめれば、ことわりに悲しう見たてまつりはべるなど、うちうちに思うたまふるさまを奏したまへ。ゆゆしき身にはべれば、かくておはしますも、 忌ま忌ましう かたじけなくなむ」
とのたまふ。宮は大殿籠もりにけり。

(意味)
「長生きすることはまことに辛いことだと知りまして、長寿の松の思いを恥じておりますので、宮中に参上するなどとは、とんでもないことでございます。帝からありがたいお言葉を度たび頂きますが、私自身は参内するつもりはございません。若宮は、どのようにしてお知りになったのか、すぐにも参上したいと思っているようなので、おかわいそうに思っておりますことなど、内々に申し上げてください。不幸が重なった私が、若宮と一緒におりますことは、若宮のためには不吉で縁起がよろしくないことでございます」
とおっしゃる。若宮は寝てしまった。


松の登場


ここで出て来る松は実際に生えている松ではなく、長生きや長寿を意味します。夫や娘と比べて長生きしてしまったという気持ちを表しています。
実際のマツ(学名:Pinus)は、日本など北半球原産でマツ科の常緑針葉樹です。針葉樹とは、主に北半球に分布し、葉による熱の発散を防ぐため、葉形を針のように細くした樹木です。松の葉は、1ヶ所に2〜5枚が束となって枝に付き(束成し)ますが、数年経つと枝から離れて落下します。花は雌雄異花で、1つ株に雄蕊だけの雄花と、雌蕊だけの雌花を咲かせます。果実は球形をしており、マツボックリ(マツカサ)となります。

詳しい説明や花言葉は、こちらをご覧下さい。

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マツ(学名:Pinus)
特集 源氏物語の草木

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