カラムシ

Boehmeria nivea var. nipononivea

万葉集でよまれた草木,

  • カラムシ
  • カラムシ
  • 花名
    カラムシ
  • 学名
    Boehmeria nivea var. nipononivea
  • 別名
  • 原産地インドシナ半島~中国
  • 開花場所野原・畦道, 低山
  • 開花期8月, 9月, 10月

カラムシとは

カラムシ(苧、学名:Boehmeria nivea var. nipononive)は、インドシナ半島~中国原産で、イラクサ科カラムシ属の多年草です。日本には縄文末期に中国から朝鮮半島を経て渡来しました。
日本の本州、四国 、九州、 沖縄の 人里や、田畑、山野、河原に自生します。日本では現在、茎皮繊維から天然繊維を採り上質な布(越後上布、 小千谷縮布、 八重山上布)の原料に限定して使われていますが、東アジアでは重要植物とされ、葉や根は薬用に、種は食用や石鹸に、茎皮繊維から繊維を採って布や紙に活用されています。
草丈100~150cmです。茎には上向きの短い毛が密生します。葉柄がある葉には艶が無く、葉裏には白毛が生えます。葉は長さ10~15cmの広卵形で先端は鋭尖で葉縁に鋸歯があり互生して付きます。雌雄同株です。8月~10月に花茎先端から円錐花序を伸ばし、雄花は枝の葉腋から、花径は0.5cmの円錐形をした黄白色の花を咲かせ、花被片4個+白い雄蕊4個から構成されます。
雌花は、茎上部の葉腋から、花径0.3cmの球状をした淡緑色の花を咲かせます。花後に成る果実は蒴果です。用途は、茎は繊維に、根は薬用に、葉は、フクラスズメ(脹雀、学名:Arcte coerula)、アカタテハ、ラミーカミキリ等の食草になります。風媒花で、残念ながら、花粉症の原因物質とされます。


フクラスズメの幼虫
「ワイは脹雀(フクラスズメ)のお子様や」、
ようけ食べまっせ、むしゃむしゃ


名前の由来


和名の「カラムシ」という名前の由来は、カラ (茎) をムシ(蒸し)て繊維をとること、また当時の韓国王朝「加羅(カラ)」と朝鮮語の「苧(mosi)」の転用とも伝えられます。
属名の「Boehmeria」は、ドイツの植物学者・医師・昆虫学者「Georg Rudlf Boehmerr(1723/10/1-1803/4/3)」博士に因みます。種小名の「nivea 」はラテン語で「 nivea」と言う意味です。


万葉集


万葉集に、蒸被(むしふすま)という生で詠まれています。
万葉時代には、寝具などを作る繊維を採るのに使われました。

万葉集第4巻 524番歌
作者:藤原麻呂(京職藤原大夫)
題詞:京職藤原大夫贈大伴郎女歌三首 [卿諱曰麻呂也]
京職藤原大夫(きょうしき ふじわらのたいふ=藤原不比等の四男)が大伴郎女(おおとものいらつめ=大伴家持の父・大伴旅人の妹)に贈った歌三首

原文
蒸被 奈胡也我下丹 雖臥与 妹不宿者 肌之寒霜

読み
むし衾(ふすま) なごや(和や)が下に 伏(ふ)せれども 妹(いも)とし寝(ね)ねば 肌(はだ)し寒(さむ)しも

意味
カラムシ=むし衾(ふすま)で出来た 柔らかい掛け布団に包まって 寝ているけれど あなたと一緒に寝てないので 肌寒く感じるのですよ。

一般名:カラムシ(苧)、学名:Boehmeria nivea var. nipononive、又名:真麻(マオ)、苧磨(チョマ)、青苧(アオソ)、分類名:植物界被子植物真正双子葉類バラ目イラクサ科カラムシ属ナンバンカラムシ種カラムシ変種 、分布:本州、四国 、九州、 沖縄、環境: 人里、田畑、山野、河原、草丈:100~150cm、葉柄長:3〜9cm、葉質:艶無し、葉裏:白毛、葉長:10~15cm、葉序:互生、葉形:広卵形で先端は鋭尖形、葉縁:鋸歯、雌雄同株、開花期:8月~10月、花序形:円錐花序、雄花:花径0.5cm、黄白色、白い雄蕊4個+花被片4個、雌花色:淡緑色、雌花の球状花序径:0.3cm、果実型:蒴果、用途:茎は繊維に、根は薬用に、アカタテハ、フクラスズメ、ラミーカミキリ等の食草、特記:風媒花。


  • バラ
  • イラクサ
  • カラムシ
  • ナンバンカラムシ種カラムシ変種
  • 花のタイプ
    その他
  • 花序
    円錐/複総状花序
  • 花冠
    花びら無し
  • 葉形
    卵形
  • 葉縁
    鋸歯状
  • 生活型多年草,野草
  • 花の色緑 黄
  • 葉の色
  • 実の色
  • 高さ100.0 ~ 150.0 cm
  • 花径0.3 ~ 0.3 cm

ランダムな花