源003.源氏物語の草木 第3話 傾城の美女 楊貴妃その2 ポスト 源氏物語の草木 あらすじ 源氏物語で紫式部は、桐壺更衣の美しさを表現するため、中国唐時代に謡われた白居易の漢詩「長恨歌」から楊貴妃の例を引き合いに出す。 第3話 傾城の美女 楊貴妃その2 (源氏物語 1.1 父帝と母桐壺更衣の物語、1.8 命婦帰参) 第2話では、漢詩「長恨歌」に出て来る絶世の美女 楊貴妃の顔を「大液芙蓉」と描いていました。「大液芙蓉」とは、大液池の蓮のことで、楊貴妃の顔の美しさを「蓮」に例えました。「大液芙蓉」の後に、彼女の美しさをたたえているのが「●●●」です。これが何かが、今回の話題となります。 「絵に描ける楊貴妃の容貌は、いみじき絵師といへども、筆限りありければいとにほひ少なし。大液芙蓉●●●も、げに通ひたりし容貌を、唐めいたる装ひはうるはしうこそありけめ、なつかしう らうたげなりしを思し出づるに、花鳥の色にも音にもよそふべき方ぞなき。」(紫式部) 妃の美貌を例えたもう一つの植物 「大液芙蓉●●●も、げに通ひたりし容貌を」の「●●●」とは、 【未央柳】で、「未央宮」に植えられたヤナギ(柳)でした。さらに言えば、ヤナギの細い葉を楊貴妃の美しい眉に例えています。いわゆる、「柳眉(りゅうび)ですね。 楊貴妃の容貌を詠った長恨歌 太液芙蓉未央柳(長恨歌) 太液池の芙蓉、未央宮の柳(意味) 芙蓉如面柳如眉(長恨歌) 芙蓉は顔、柳は眉のごとし(意味) でも、やっぱり桐壺の方が 「大液芙蓉未央柳も、げに通ひたりし容貌を、唐めいたる装ひはうるはしうこそありけめ、なつかしう らうたげなりしを思し出づるに、花鳥の色にも音にもよそふべき方ぞなき。」(源氏物語) 「太液の芙蓉のような顔も未央の柳のような眉も、実際その通りの容貌であっただろうし、唐衣装を着た姿は麗しいのだが、桐壺更衣の懐かしく可愛らしさを思い起こすと、花の色や鳥の鳴き声も桐壺とは比べるものがない。」(意味) 白居易の長恨歌で楊貴妃を持ち出したが、さらにそれより桐壺簿更衣の方が断然美しいという結論に至っています。(手前味噌か) ここで登場するヤナギ(枝垂柳、学名:Salix babylonica)は、中国原産で、ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木です。 因みに「ビヨウヤナギ(美容柳 、学名:Hypericum monogynum )」という植物がありますが、それはヤナギではなくオトギリゾソウの仲間で、花が華やかで葉が柳の葉に似ていることから、白居易の詩にあやかって後に命名されたものです。 柳については、こちらをご覧下さい。 ■関連ページ 源003.源氏物語の草木 第3話 柳 かぎけん花図鑑 花日記2024年1月3日(水) 、 特集 源氏物語の草木 、 シダレヤナギ(枝垂柳、学名:Salix babylonica)、 源002.蓮 源氏物語の草木シリーズ 第2話 かぎけん花図鑑 花日記2024年1月2日(火) 、 源001.桐 源氏物語の草木シリーズ第1回 かぎけん花図鑑 花日記2024年1月1日(月) 、 #紫式部 #源氏物語 #光源氏 #草木 #蓮 #花日記 #花図鑑 #花 #flowers #かぎけん花図鑑 #かぎけん花日記 Other Articles花名に「甲殻類」コエビソウと小海老花名に甲殻類名の付く植物 コエビソウ(小海老草、学名:Justicia brandegeeana)とは、メキシコ原産で、キツネノマゴ科キツネノマゴ属の熱帯性・半耐寒性常緑低木です。 赤褐色や黄褐色の花のように見える重なり合った苞が小海老に見立てて名付けられました。 上:コエビソウ(小海老草、学名:Justicia brandegeeana)、下:小海老=ガラエビ(柄海老、、学名:Argis6月28日の誕生花 トルコギキョウ、ゼラニウム6月28日の誕生花は、トルコギキョウ,ゼラニウムです。 トルコギキョウ トルコギキョウ(土耳古桔梗、学名:Eustoma grandiflorum)は、北米やメキシコ北部原産で、リンドウ科ユーストマ属の非耐寒性一年草です。別名でユーストマ(Eustoma)や、リシアンサス(Lisianthus)、プレイリー・ゲンティアン(Prairie gentian)とも呼ばれます。花言葉は「清々し12月29日の誕生花 プリムラ・ジュリアン、鬼灯12月29日の誕生花 プリムラ・ジュリアン,ホオズキです。 プリムラ・ジュリアン(Primula julian、学名:Primula × juliana)は、プリムラ・ポリアンサ(P. polyantha)と、コーカサス原産のプリムラ・ジュリエ (P. juliae)との交配種で、日本で育種された小輪矮性・耐寒性多年草です。花言葉は「永続する愛情」です。 ホオズキ(鬼灯・酸漿、学名:Pショート動画「イヌビワの描き方」音声あり 有紀@kagikenが「イヌビワの描き方」を説明したショート動画を下に載せます。 画像をクリックすると開始します。声による説明があります。 イヌビワについてこちらへ ... 以下本文に続く ■関連ページ かぎけん花図鑑 花日記2023年1月28日花ら109.らんまん 横倉木 NHK朝ドラ「らんまん」花シリーズ【かぎけん花日記】 TV番組は終了しましたが、らんまん植物で残っているものを、引き続き花日記で扱います。 ヨコグラノキ(横倉木、学名:Berchemia berchemiaefolia)とは、日本他原産でクロウメモドキ科ヨコグラノキ属の落葉広葉高木です。東北宮城県以南、四国、九州の崖や渓流沿いに自生します。別名でエイノキ、英名でYokoguranoki tre火焔葛のブログカエンカズラ(火焔葛、学名:Pyrostegia venusta)は、蔓で塀や屋根などよじ登り、明るい橙色の長筒状で先端が5裂する小花を続々と咲かせるノウゼンカズラ科の常緑蔓性低木です。英名では、「オレンジ・トランペット・バイン(Orange trumpet vine)」と呼ばれます。 花言葉は、「雄大」。