世紀の悲恋物語ー万葉集草木シリーズ34 ニワトコ

ニワトコ(庭常、接骨木、学名:Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta)は、日本、朝鮮半島、中国原産で、レンプクソウ科ニワトコ属の落葉低木です。若葉や蕾は食用に、材は杖や細工物に、果実は果実酒に、乾燥させた枝葉は生薬に、樹皮や木部は入浴剤に、髄は実験の標本用に、魔除けにされます。万葉集で謡われている歌は、日本史上初の悲恋物語!?です。


万葉集 第2巻 90番歌


作者:磐姫皇后(軽太郎女)、万葉呼名:山たづ=ニワトコ

万葉集の原文
君之行 氣長久成奴 山多豆乃 迎乎将徃 待尓者不待

万葉集のよみ
君が行き(君之行) 氣長久成奴(日長くなりぬ) 山多豆(山たづ)乃(の) 
迎乎(迎へを)将徃(行かむ) 待(待つ)尓(に)者(は)不待(待たじ)

きみが行き 日(け)ながくなりぬ やまたづの 迎えを行かむ 待には待たじ

万葉集の意味
あなたが行ってしまってから 日数が経ちました 迎えに行きます 待ってなんかいられません。

「やまたづの」は「迎え」の枕詞。山たづ=ニワトコの葉が対生(むかい合わせにつく)することから。

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