ナシ
万葉集でよまれた草木
- 花名ナシ
- 学名Pyrus pyrifolia
- 別名Pyrus pyrifolia, 梨, Nashi Pear, Sand Pear, Russet apple pear
- 原産地中国、ヨーロッパ
- 開花場所果樹園
- 開花期4月, 5月
ナシとは
ナシ(梨、学名:Pyrus pyrifolia)は、中国、ヨーロッパ原産で、バラ科ナシ属の落葉高木で、果樹と果物を指します。日本には中国から、早い時期に渡来し、その原種が野生化したものがヤマナシ(山梨、 P. pyrifolia var. pyrifolia)で、それを改良した栽培品種が現在のワナシ(和梨、Pyrus pyrifolia var. culta )とされます。
梨は世界中で栽培されています。英名では、’Nashi Pear’ や ’Sand Pear’ 、’Russet apple pea’、中国名では「沙梨」と呼ばれます。現在、梨には日本梨(和梨、P. pyrifolia var. culta )、西洋梨 (洋ナシ、P. communis)、中国梨( P. bretschneideri)があります。樹高は7~15 mです。葉は卵形で葉縁に鋸歯があります。直径2~3 cmの5弁の白花が花は春に咲きます。食用となる果実が秋になります。果実は直径10~20 cmの球形~歪な楕円形をしています。果皮色は黄色、または橙色、茶色で、果肉は白い。日本梨は収穫後すぐ食べられますが、西洋ナシは収穫後地上の保管庫で追熟させる必要があります。食感は日本梨は水分が多く、サッパリして、石細胞が多くシャリシャリしています。洋ナシはきめ細かくまったりしています。
中国梨は日本では出回っていないので食べたことはありません。中国で栽培されている梨は「白梨」といい、ナシ (梨、Pyrus pyrifolia)とミチノクナシ(陸奥梨、Pyrus ussuriensis)の交雑種とされ、果肉は白い。
梨の種類
日本梨ー幸水、豊水、新高、あきづき、にっこり、かおり、秋麗、新興、二十世紀、長十郎、など。
洋梨ーラ・フランス( La France、学名:Pyrus communis var.sativa )、
ル レクチエ(Le Lectier、学名:Pyrus pyrifoli)
グランドチャンピオン(学名:Pyrus communis cv. Grand Champion Pear)
中国梨は日本では見かけません。
梨を詠った俳句
せみ啼くや 梨にかぶせる 紙袋 小林一茶
噛りては 眺めて見ては 梨噛る 山口誓子
万葉集と梨
万葉時代の梨は、日本に伝来したヤマナシ(山梨、 P. pyrifolia var. pyrifolia)か、またはその時代に改良されていたものが万葉集でも詠われています。
万葉集 第10巻 2188番歌
作者:不明
題詞:詠黄葉
登場する草木:梨
原文
黄葉之 丹穂日者繁 然鞆 妻梨木乎 手折可佐寒
訓読
黄葉(もみじば)之(の) 丹穂日(におい)者(は)繁(し) 然(しかれ)鞆(ども) 妻梨(無しの)木乎(を) 手折(り)可佐(飾)寒(さむ)
↓
黄葉の にほひは繁し しかれども 妻梨の木を 手折り飾さむ
意味
黄葉(もみじば)が 色づいて繁っている けれど 妻無しの私は梨の木を 手折って頭に飾ろう。
一般名:ナシ(梨)、学名:Pyrus pyrifolia、又名:Nashi Pear、Sand Pear、Russet apple pear、分類名:植物界被子植物真正双子葉類バラ目 バラ科ナシ属ヤマナシ種ナシ変種、樹高:7~15 m、葉形:卵形、葉縁:鋸歯、開花期:4月、花色:白、花弁数:5、花径:2~3 cm、結実期:8~11月、果実形:球形、果実径:10~20 cm、果皮色:橙色、黄色、緑、果肉色:白、用途:果実を食用に。