5月7日の誕生花、ボタン(牡丹、Paeonia suffruticosa)

5月7日の誕生花、ボタン(牡丹、Paeonia suffruticosa)

ボタン(牡丹、学名:Paeonia suffruticosa)とは、中国原産で、ボタン科ボタン属ボタン種の耐寒性落葉低木です。
別名で、木芍薬や、ハツカグサ(二十日草)、ナトリグサ(名取草)、英名で、Peony、Moutan peony 、Tree peony(ツリー・ピオニー)と呼ばれます。
ボタンは薬用として遣唐使(630年ー894年)が平安初期に日本に持ち帰って以来、国内で薬用として栽培されるようになりました。
その後観賞用として多数の園芸品種が育種されました。日本最大のボタン生産地は鳥根県大根島です。

樹高は100〜150cmで、分枝して横に広がります。茎色は灰褐色です。
葉は、2回3出複葉で、小葉長5~8cm、小葉幅3~7cmの長卵形で、葉縁に鋸歯があり、枝に互生して付きます。
3月頃、赤い芽を出し、4月~6月に、その年伸びた枝先に大輪の頭花を一輪咲かせます。
花は直径15〜20cmで、八重咲き・千重咲き・万重咲きがあり、花色は薄紅・白・紅・紫紅・黒紅・黄・青紫・橙・紅のぼかし入りと豊富です。
花茎が短いので、葉の真上に花が咲いているよう見えます。園芸種が多数栽培されています。

中華人民共和国の国花
隋代の煬帝(在位:604年8月21日 - 618年4月11日)が大変気に入り西苑(皇室の庭園)で盛んに植えられ、その後民家にも広まりました。
1994年に、中国花卉協会が、中国国花選出大会で「ボタンを中国の国花とする」案を提出し、中国の国花となりました。

【ボタン原種】
四川牡丹(赤白複合、Paeonia decomposita)、紫牡丹(赤紫系、Paeonia delavayi)、矮牡丹(白系、Paeonia jishanensis)など。


ボタンの花は美人の形容詞


「立てば シャクヤク(芍薬、P. lactiflora)、座れば ボタン(牡丹、P. suffruticosa)、歩く姿はユリ(百合、Lilium)の花」
と、ボタンの花は美人を形容する例えの一つとして詠われます。ユリはさすがに見間違えることはありませんが、シャクヤク(P. lactiflora)とボタン(P. suffruticosa)は似ています。両者の違いを以下に述べます。


ボタンとシャクヤクの違い


1)「木か草か」 ボタン(P. suffruticosa)は木(落葉低木)、シャクヤク(P. lactiflora)は草(宿根草)
2)「原産地」  ボタンは中国、シャクヤクはチベット~朝鮮半島
3)「学名」   ボタンはPaeonia suffruticosa(ぺオニア・スッフルティコサ)、
         シャクヤクはPaeonia lactiflora(ぺオニア・ラクティフロラ)
4)「葉」    ボタンは艶がなく2回3出複葉(裂掌状)で鋸歯有、シャクヤクの葉は光沢が有り楕円形で全縁
5)「蕾」    ボタンの蕾は球形で、シャクヤクの蕾は先端が尖る
6)「開花期」  ボタンの方が少し早く4月~5月、シャクヤクは5月~6月
7)「花の高さ」 ボタンは花茎が短いので花が葉上に乗っているように咲き、シャクヤクは花茎が長いので葉上方に花を咲かせる
8)「株の高さ」 ボタンは100〜150cm、シャクヤクは50~90cm
9)「花径」   ボタンは15〜20cm、シャクヤクは10~15 cm
10)「散り方」  ボタンは花弁が1枚ずつ散る、シャクヤクは花の頭ごと落ちる
11)「花の香」  ボタンは殆ど種類で無い、シャクヤクはバラ香がある


ボタンの花名の由来


学名は "Paeonia suffruticosa"nanoなので、属名"Paeonia"と種小名”” suffruticosa”から成ります。
属名 ”Paeonia”は、ギリシャ神話の"Paeon(医術の神)"を意味します。
種小名"suffruticosa"は、ラテン語の ”sub”(やや)”と” frutex”(潅木)"の合成語で、"小低木"を意味します。

和名の「牡丹」の「牡」はオス♂のことで「丹」は赤を意味します。
ボタンは沢山の雄蕊で雌蕊が見えにくいことや、種子が出来にくいことからオスの花と見なされたことに拠ります。


牡丹の花言葉


「高貴」。
当初、薬用として用いられましたが、花の美しさから中国皇帝に非常に愛されたことに拠ります。


用途


根皮に薬効があり「丹皮」と呼ばれ、解熱、鎮痛、消炎、浄血があるとされます。
また、根だけではなく、花はエディブルフラワーとしてサラダや、牡丹花クッキー、牡丹花茶、牡丹花酒などに、種は絞られて植物油に活用されます。



冬牡丹と寒牡丹



冬牡丹とは


フユボタン(冬牡丹)は、春咲き品種を、低温処理した後に加温して冬咲き用に加工された品種で、ボタンは季節を春だと勘違いして咲き、葉は青いままです。

【冬牡丹の品種】
黄冠(黄色系八重大輪抱え咲き)、花王(赤紫、万重、大輪)、五大州(白系、白と黄色の千重大輪)、島大臣(ボタン色の代表、紫色千重大輪抱え咲き)、
島錦(赤白混合)、島の藤(紫色系、八重大輪抱え咲き)、聖代(桃色系、千重大輪盛り上げ咲き)、太陽(赤系代表品種)、ハイヌーン(黄色系、八重中輪)、
●春の里、八千代椿(赤桃色混合品種)、連蔓(白系、八重大輪平咲き)。


フユボタン'島錦'

冬牡丹'島錦'(フユボタン シマニシキ)


寒牡丹とは


カンボタン(寒牡丹)は、春冬2回咲きの品種で、冬にも咲きますが、葉は落葉しているので存在しません。
【寒牡丹の品種】
江川寒(濃赤色系)、関西牡丹(ピンク系、古典品種の銘花)、寒紫光(赤紫色系)、初日(ピンク系)、対象紅(赤系)、豊春紅(薄紅系)、冬烏(濃紅系)、紫の前(赤紫系)

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ボタン(牡丹、学名:Paeonia suffruticosa)
フユボタン(冬牡丹、学名:Paeonia suffruticosa 'Fuyu Botan')
5月7日の誕生花、ボタン(牡丹、学名:Paeonia suffruticosa)かぎけん花図鑑 花日記2025年5月7日(水)
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