万169.花菖蒲の親 野花菖蒲 Tweet ノハナショウブはハナショウブの親! ノハナショウブ(野花菖蒲、学名:Iris ensata var. spontanea)は、日本や中国など原産でアヤメ科アヤメ属の宿根草です。日本全国の湿原や水辺、湿地に自生します。草丈は50〜100 cmです。葉は剣形でをした緑色で葉縁は全縁(鋸歯などが無い)です。6月〜7月に、花径約15 cmの赤紫色の花被片に黄色い筋のある花を咲かせます。 万葉名「花勝見」の候補の一つ 野花菖蒲は万葉名では「ハナカツミ(花勝見)」の候補の一つとしてあげられます。花勝見の他の候補には。アヤメ科のシャガ(著莪、学名:Iris japonica)や、アヤメ(文目、綾目、学名:Iris sanguinea)、ヒメシャガ(姫著莪、学名:Iris gracilipes)、さらに、アヤメ科以外のカタバミ(学名:Oxalis corniculata)や、デンジソウ(田字草、学名:Marsilea quadrifolia)、マコモ(真菰、学名:Zizania latifolia)などがあります。 万葉集では、「花勝見(はなかつみ)」という名前で、1首のみが詠まれています。1400年も前の話なので現在のどの花に当たるかは定かではありません。 万葉集と花勝見 万葉集 第4巻 675番歌 作者:中臣郎女(なかとみのいらつめ) 題詞:中臣女郎贈大伴宿祢家持歌(中臣女郎が大伴家持に贈った歌) 登場する草木:花勝見=ノハナショウブの場合 原文 娘子部四 咲澤二生流 花勝見 都毛不知 戀裳摺可聞 読 娘子部四(をみなへし、女郎花) 咲(佐紀)澤(沢)二(に)生流(生ふる) 花勝見(花かつみ、シャガ) 都(かつて、嘗て)毛(も)不知(知らぬ) 戀(恋)裳(も)摺(する)かも(可聞) ↓ オミナエシ 佐紀沢に生ふる 花かつみ 嘗(かっ)ても知らぬ 恋もするかも 意味 オミナエシが (一面に)咲く沢に生える 花かつみのように 嘗て(かって)思いもしなかった 切ない恋をしています(悲しい😭)。 注記 「をみなえし 咲く」から「佐紀沢」にかかる枕詞。 「はなかつみ」:「かつて」「かつ」を引き出す序詞 花言葉や詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。 ■関連ページ 万169.花菖蒲の親 野花菖蒲 万葉集 かぎけん花図鑑 花日記2023年12月16日(土) 、 ノハナショウブ(野花菖蒲、学名:Iris ensata var. spontanea)>、 特集 万葉集でよまれた草木 、 万168.入手困難 金木犀 万葉集 かぎけん花図鑑 花日記2023年12月15日(金) 、 #万葉集 #草木 #ノハナショウブ #ハナカツミ #花図鑑 #花 #flowers #かぎけん花図鑑 #かぎけん花日記 Other Articles7月26日の誕生花 クサノオウ7月26日の誕生花は、クサノオウです。 クサノオウ クサノオウ(草の黄、草の王、瘡の王、学名:Chelidonium majus L. var. asiaticum )はユーラシア大陸原産でケシ科クサノオウ属の多年草です。夏に茎先から散形状花序を伸ばし、黄色花い四弁花を咲かせます。茎を折ると出る黄色い汁はプロトアネモニン(protoanemonin)やプロトピン(protopine)等を含桜シリーズ29.御衣黄ギョイコウ(御衣黄、学名:Cerasus Sato-zakura Group ‘Gioiko’)は、バラ科サクラ属オオシマザクラ系サトザクラの園芸品種です。4月中旬に、花弁は淡黄緑色で緑色の太い筋が入る八重咲き大輪花を咲かせます。花色は開花時は緑色ですが、開花後、徐々に白くなり、最終的にはピンクになります。薄黄色のウコンザクラ(鬱金桜)、学名:Cerasus Sato-zakura Group ‘果物シリーズ4 林檎リンゴ(林檎、学名:Malus pumila)とは、中央アジアの山岳地帯原産で、バラ科リンゴ属の非耐暑性・耐寒性落葉高木と果実のことです。晩春に小さな白い5弁花を咲かせます。秋に紅葉し、 初冬に食用となる有益な果実を成らせます。ビタミンCや植物繊維が豊富で、昔から、英国では一日一個のリンゴを食べると病気にならず 医者が要らないという諺があります。 身近な果物で日本全国にとどまらず世界各国で食べられ12月に咲く赤い花45種庭植、鉢植え、屋内、温室で12月に咲いている赤い草木の花をのせました。 12月の赤い花と言えば、ツバキ(椿、学名:Camellia japonica)、特に藪椿(ヤブツバキ、学名:Camellia japonica L.)の美しさには目を見張るものがあります。カンボタン(寒木瓜、学名:Chaenomeles)の緋色も目立ち、サザンカ(山茶花、学名:Camellia sasanqua)はツバキに先7月4日の誕生花 捩花、鹿子百合7月4日の誕生花は、ネジバナ,カノコユリです。 ネジバナ ネジバナ(捩花、学名:Spiranthes sinensis)は、ラン科ネジバナ属の多年生の野草です。夏に螺旋状に捩れた赤紫の小花を咲かせます。一つひとつの小花は蘭形をしています。百人一首の河原左大臣が詠った短歌「陸奥(みちのく)の しのぶもじずり誰ゆえに 乱れそめにし われならなくに」で知られる花です。花言葉は「思慕」です。 せめてお姿だけでも!?万葉集草木シリーズ39.アケビアケビ(木通、学名:Akebia quinata)は、アケビ科の蔓性落葉低木です。春に総状花序を伸ばし、先端に雄花、基部に雌花を咲かせます。雌花には大きい紫褐色の3枚の萼片と、中央に放射状の雌蕊が6~9本があります。雄花は薄黄で小さく中央に紅紫色の雄蕊が6本あります。秋に紫色で長楕円形の果実が成ります。万葉集では「さのかた」と言う名で詠まれています。 万葉集 第10巻1928番歌 作者:作者不詳