アカマツ
万葉集でよまれた草木
- 花名アカマツ
- 学名Pinus densiflora
- 別名Akamatsu, Japanese Red Pine, メマツ, 赤松, まつ, 松, マツ
- 原産地日本、韓国、中国
- 開花場所庭, 墓地・寺院, 公園, 盆栽, 街路、植栽
- 開花期4月, 5月
- 花言葉「気高さ・気品」「同情心に弱い」
アカマツとは
アカマツ(赤松、学名:Pinus densiflora)とは、日本、韓国、中国原産で、マツ科マツ属の常緑高木針葉樹です。樹皮が赤褐色で新芽が赤っぽく幹がしなやかな曲線を描きます。
松と言えば、クロマツ(黒松、学名:Pinus thunbergii)と共にニ葉松の代表とされます。
樹皮は、黒松が黒っぽいのに対して、赤松は赤いのでその名があります。また、黒松は雄松と呼ばれるように葉が硬くやや太いのに対し、赤松は雌松と呼ばれ葉は柔らかくやや細いです。
北半球に分布するので、葉による熱の発散を防ぐため、葉は針のように細いです。葉は1ヶ所に2枚が束となり枝に付き、いわゆる束成しますが、数年経つと枝から離れて落下します。赤松林には、マツタケ(松茸)が生えます。
日本では、古代から親しまれている樹木であり、万葉集や、歌舞で謳われ、伝統芸の道具立てにも使われています。
万葉集と松
万葉集でよまれた草木の中には、松(まつ)を詠った歌が79首あります。アカマツやクロマツの別は無く「松」という名で登場します。
万葉集 第4巻 623番歌
作者:池邊王(いけべのおおきみ)
題詞:池邊王宴誦歌一首
池辺王の宴に誦うたふ歌一首
原文
松之葉尓 月者由移去 黄葉乃 過哉君之 不相夜多焉
読み
松之(の)葉尓(に) 月者(は)由移(ゆつ)(り)去(ぬ) 黄葉(もみちば)乃(の) 過(ぐれ)哉(や)君之(が) 不相(逢はぬ)夜多焉(多き)
↓
松の葉に 月は移(ゆつ)りぬ 黄葉(もみちば)の 過ぐれや君が 逢はぬ夜ぞ多き
意味
松の葉に 月は移ってしまい時が過ぎて あなたに会わない夜が多くなったわ。
注記
「まつ」の使われ方、他
「松の」に「待つ」の意味がかけられている。「黄葉」は「過ぐ」にかかる。
「君」は女性から男性を呼ぶ呼称ですが、「宴に誦うたふ歌」というタイトルなので男性が女性の気持ちを表した歌ではないかとされます。
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一般名:アカマツ(赤松)、学名:Pinus densiflora、別名:メマツ(雌松)、オンナマツ(女松)、Japanese Red Pine(ジャパニーズ・レッド・パイン)、分類名:植物界維管束植物球果植物門マツ綱マツ目マツ科マツ属アカマツ種、原産地:日本、韓国、中国、生息分布:北海道南部~九州、生活型:常緑針葉高木、樹高:10~35m、樹皮:赤褐色、新芽色:赤っぽい、葉形:針状、葉長:7~12 cm、葉序:2個束生、雌雄異花、花序:毬状花序、開花期:4月~5月、花色:黄緑褐色(雄花)、紅紫色(雌花)、花弁数:無し、花長:1 cm(雄花)、雄性球花、果実型:球果、果実形:卵状円錐形、結実期:翌年10月、用途:街路樹、防風林、砂防林、庭木、盆栽、花材。